東芝テック株式会社 様
導入事例
当たり前のことを、当たり前に進める重要性。原点に戻って「営業プロセス」を見直す。
社名 | 株式会社帝国ホテル 様 |
---|---|
研修対象 | 営業職 |
実施内容 | 2日間 営業考動力研修 |
主テーマ | 営業の「見える化」をはかり、営業強化につながる「考える力」を高める |
研修ご担当 | 営業部 部長 丸山 真 様 |
研修導入の背景
長い歴史の中でブラックボックスになりがちな、営業プロセス。
営業の「見える化」で、明確に。
2010年に創業120周年を迎えた帝国ホテルは、すべてのサービスに対し「伝統を守りつつも、より一層新しい価値の創造とご提供に努める」必要性が高まってきています。
営業部では「新たな企画提案型営業」というテーマを掲げ、その取り組みを始めました。
実は、テーマに沿った今後の営業人材育成にあたり、私たち営業部内で今何をするべきかを、何度も話し合いを行ってきました。
帝国ホテルの営業は、一般の企業様や旅行代理店様、個人のお客様を中心に、宿泊・宴会・婚礼などのご提案と社内調整を行っていくことが主となりますが、今までは、どうしても売上を上げるという「結果」に重きを置きがちでした。
それは勿論大事なことなのですが、その前にしかるべき「営業プロセス」を踏んでいるのか?原点に戻って、プロセスを見直すべきではないか?という意見が出てきました。
例えば売上が落ちた時、一発逆転ホームランを打つ、というような近視眼的な施策だけでなく、それよりも、当たり前のことを、当たり前に進めることを、プロセスの各段階で確認しつつ、着実に実行していくことが重要、という結論に至ったのです。
結果だけではなく、プロセスのどの段階で、案件が今どういう状況なのか、もしくはどの段階で、どういう理由で失注したのか、といったことを共有・究明し合い、対策が打てるようになれば新しい価値の創造とご提供にもつながる・・・。120年という長い歴史の中で、ブラックボックスになりがちだった「営業プロセス」を「見える化」で再度明確にし、今後の営業強化に結び付けたいと考えました。
MV社「営業研修」選定の理由
何を持って「営業力」を測るか?何が弱いのか?
「今のスタイルをどう変えていくか?」と考えていた時、出会った研修
人材育成の方向性を探ると同時に、幾つかの疑問も浮かび上がりました。
それは、「何をもって、営業力とするのか・営業力を測るか?」「営業として何が弱いのか」「今のスタイルをどう変えていけば良いのか」ということです。その時に出会ったのが、マーケットヴィヴィッド社(以下、MV社)の営業研修でした。
まず、MV社の「営業力の定義づけピラミッド図」が、何をもって営業力とするのかという疑問を払拭してくれました。ピラミッド図に記された、営業における「考える力」は、まさに弊社が、「営業プロセス」と併せて強化すべきポイントでした。
そして、研修選定の大きな理由は、ツールとして「営業ゲーム」(実態の営業プロセスに近いシミュレーションゲーム)を使うことでした。どうしても、研修で会議室に缶詰となると身構えてしまいますが、ゲームを使うことによって、勉強会に近いかたちで受講者の能力を引き出したいという狙いがあったのです。
また、私たちが営業ゲームのトライアルを体験した時、「求めていたものに、非常に近いな」という印象を受けました。営業職へ配属になると、最初に営業の基本を学ぶ研修があるものの、それはガイドライン的なものです。あとは先輩の背中を見て、時間を掛けて経験値をあげていくというのが従来のスタイルです。
営業ゲームでは、営業においての様々な状況やプロセスに、どういう意味や意図が含まれているのか、ということがとても理解しやすいと感じました。ゲームでの体感と、「実は、こういうことなのですよ」と、営業を体系的に詳しく説明する時間(解説・講義)がセットになっているところが、秀逸だと思いましたね。よくありがちな営業の概論だけでは終わらず、深いところまで理解できるということです。
しかも、個々の強み・弱みや、行動・考え方における傾向を把握(測ることが)できるうえに、共通認識も生まれます。組織のスタイルも、営業スタイルも、何か変えていかなければいけない今、どれも外せない要素だと思いました。
研修当日
ゲームと実体験を照らし合わせ、営業プロセスを浸透させる
研修当日の受講者たちは、売上目標を追いかける営業ゲームに、かなり真剣に取り組んでいました。
実際、私たちがトライアルを体験したときも、いつの間にかゲームという感覚は無くなっていて、すっかりのめり込んでいました。
営業は、常に目標を意識している職種です。売上が上がった時の喜びを、ゲームを行っている数時間で得られて、その合間合間で講義があるというのも、重要ポイントが入ってきやすい(染み込みやすい)と感じました。
弊社では、7年程前に営業管理のシステムを導入しましたが、商談の段階管理を、そのシステムだけで理解させようとしても、なかなか浸透しきれませんでした。
研修では、営業のシミュレーションにのめり込んでは、合間にクールダウン、それを3ラウンド繰り返す中で、ゲームと実経験を照らし合わせていきます。その照らし合わせ(経験をもってプロセスを意識すること)が、営業プロセスを浸透させていくことにつながると感じました。
研修効果とフィードバック
営業プロセスと原理・原則の共通認識。
まずは「見える化」をクリア
まずは、「見える化」という大きなテーマをクリアできたという実感があります。
研修の効果としては、営業の体系を、プロセスという形で意識してくれたことです。原理・原則の共通認識を持ち、踏むべきプロセスを踏んで、良かったのか悪かったのかを、ある程度自分で検証できるようになったのではないかと評価しています。特に、部下を育成していく役割の受講者もいましたので、これは大きな成果だと思っています。
中でも目に見えて、実感できるのが日報管理です。研修後、日報管理の内容が28名中まず半数は変わったと感じます。中でも10名は明確に変わりました。「なぜ、これを入力しているのか」を理解して、入力業務に当たっているのかが読んでわかるんですね。営業ゲームに出てくる「自分で出来ること・出来ないこと」を意識し、段階的にどの選択をしなくてはならないか、ということが明確になってきています。
研修と実務の連動
日々の業務で、営業ゲームに出てきた要素を、実際に活用する場面が増えました。研修用語が流行り言葉のように共通言語化してきているものもあります(笑)。
研修中、あまり前向きではない姿勢を見せていた者でさえ、「どのタイミングで、何を選択するべきか」ということを理解し、営業活動に取り入れていたことも最近知りました。
研修の最後にいただいた、営業の重要点を記載した名刺サイズのカードも、良いフィードバックになっています。研修時の資料やファイルは、一度デスクにしまうと滅多に出さなくなりますが、このカードはいつでも見ることができて便利ですね。私たちも、いつも名刺入れに入れて持ち歩いていますが、硬くてツルツルしているこのカードはサッと取り出しやすく、常に営業活動や自分自身を振返り、点検することができます。 余談ですが、名刺入れの区切りとしてもとてもいいです(笑)。
MV社への今後の期待
私たちの理想は、プロセスを「意識」から「無意識にできる」レベル
私たちは、いずれ営業部全体で、プロセスを「意識」から「無意識」に出来るレベルまで引き上げていけることを理想としています。
今回の研修では、まずは営業として踏まなくてはならない当たり前のこと(プロセス)を、体系的に理解・意識してもらうことを目的としていました。
それが「考える力」のベースにもなってきます。今回は4年目以上の営業を受講対象にしましたが、1~3年目の営業にも同プログラムの研修を実施し、全体に浸透させていきたいと考えています。
テーマである「新たな企画提案型営業」に向けさらに、今回の営業研修で明確になった個々の課題と、今後の強い営業部を見据えたプログラムを考えるお手伝いをいただきたいと思います。