東芝テック株式会社 様
導入事例
理系社長が見据える、次世代に向けた「営業を科学する組織」への変革。研修の考え方を基に、勝ちのシナリオを描く営業へ。
社名 | 株式会社カケフホールディングス 様 |
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研修対象 | 営業職 |
実施内容 | 営業ゲーム、仮説トレーニング、研修サポート |
主テーマ | 営業の見える化・考え動く力の強化 |
研修ご担当 | 代表取締役社長 掛布 拓雄 様 |
研修導入背景
今は好調でも危機意識・・・今後を見据えた経営戦略。
勝ちのシナリオを描く営業へ。
カケフグループは、創業から75年以上、鐵一筋(てつひとすじ)に様々な商材を扱っており、メトーカケフ、カケフ鋼板、カケフ住建、スタールカケフの4つの会社に分かれて事業を展開しています。お客様の満足を第一に考え、社員一人一人が品質をつくり出すことによって良い商品と親切丁寧なサービスをお届けすることがモットーです。
私たちの今までの営業は受け身で、工事現場から依頼が入ってから、いかに素早く届けるか、という動き方でした。それでも業績は好調だったのですが、考えて動く営業ができていないことに強い危機感を感じていました。これからの営業は、自分達から仕掛けていく動きに変えていかなければなりません。現在はこれを「営業のDX化(デジタルトランスフォーメーション)」と表現しています。今後は、営業の戦略・シナリオを基本とした仕掛けで、データや市場ニーズなどの情報をもとに事前に勝ちのシナリオを描いてから現場に行く、という流れです。
もちろん実態では商材や商流の特性上、依頼が来たら迅速対応など、従来型の営業も必要です。従来型の営業を土台にしながら、シナリオ営業も行う。営業が二層構造になるような「売る仕組み」を設計できれば、その方が効率も良いし大きなマーケットが取れると考えました。
MVを選んだ理由
まさに「営業を科学」できる。脳に汗かき記憶に残るゲーム体験。
マーケットヴィヴィッド社(以下MV社)の研修に惹かれたのは、元々自分が考えていた「営業を科学する」ということにピッタリだと思ったからです。「科学する」というのは、「定量的で再現性がある」ということです。
元々私は、曖昧さを排除して数字で物事を捉える「理系」の人間です。経営も営業も一緒だと思っています。感覚や根性ではなく、体系的、定量的に捉えることができて、営業を属人化させない。その点に非常に共感しました。導入当時は私がホールディングス全体を統括している立場ではなく、その中のひとつであるメトーカケフの代表をしていたので、まずメトーで実績・成功体験というものを作れば、この考え方を他の3社に対しても展開・波及できるだろうと考えていました。
他の研修についても広く情報収集をしましたが、実際、MV社と同じような要素を話している講師もいました。ただ、それはあくまで概論を話しているだけでした。それを実態に即した形に変換して、体験型のゲームにまで仕上げていたのはMV社だけでした。研修内容を伝えるだけなら簡単ですが、体験型の研修の方が、より腹落ちして記憶にも残るだろうと思い、MV社の研修をやるぞとGoサインをかけました。
MV研修(営業考動力研修)の感想
ホールディングス全面展開、事業会社を越えて共通認識ができた。
研修を取り入れたことで、現場では様々な変化がありました。営業会議に参加しても、各営業が案件整理や、受注確度の判断ができるようになったと思います。BANTCについて言語化できるようになったのも大きいです。例えば「我々の機動力がニーズにマッチするから受注確度が高い」とか、「逆にこれは地理的な問題があって厳しいのではないか」といったことを、共通言語で語れるようになってきました。
各事業会社で展開して、一番刺さったのがカケフ住建でしたね。特に案件管理や受注確度は彼らの現場では実務に直結する考え方でした。ちょうど同時期に案件管理ツールも導入していましたが、研修を通じて、達成シナリオを描く素材としての重要性を改めて気づかされました。受講したメンバーからも「何となく重要と思っていたものが明確になった」という感想が多く、MV社の研修は非常に価値のある体験になったのではないでしょうか。一方で従来型営業の、顧客から来た依頼を迅速対応する業務100%の担当者には、研修での変換が少し難しかったようです。
先述の通り弊社は4事業会社あるのですが、「自分たちの業界は」とか、「こっちの商売は」など、それぞれの現場で自分達を特殊化・特別化したがります。ですが、実際はそんなことはありません。案件発生やクロージングなどのプロセスのように、土台となる基礎の部分は全社共通です。方法論やテクニック、市場の違いなどはありますが、営業の基礎は同じであるということを共通言語化できたのではないかと思います。
MV研修(営業考動力研修)の効果
研修の考え方を基に、組織の仕組みを抜本改革。
プロセスを「見える化」すれば、評価も成果も適正に。
研修の考え方は、以前から構想していた人事評価の改革にもつながりました。営業を結果だけで評価するのはもう古い考えだと思っています。適正な人事評価を行うために、結果だけではなく、プロセスも見ていきたいと考えていました。MV社の研修にヒントを得て、数年前から各事業会社の営業実態に合わせて、結果に至る前段階の、営業のプロセスを見える化し、各プロセスで何をすべきか、行動のKPIを定義するようにしました。
これにより、適正な評価だけでなく、現場の成果にもつながると考えます。営業本人も上手くいかないときに自分の行動を振り返れる指標になり、何を改善すべきか明確になります。昨今の景気や顧客事情など外部要因はあるものの、市場全体で捉えれば弊社のシェアはまだ微々たるものです。まだまだ拡大の余地があると思っていますから、外部要因を言い訳にせずに、営業プロセスを着実に実践し、PDCAを回して行けば、自ずと成果はついてくると思っています。
各事業者のKPIの設定が完了して、現在ようやく人事評価に紐づけるように設計中です。まもなく仕組みとして動き出しますが、社員が本当に腹落ちして機能するには3~5年かかるでしょう。
この取り組みを浸透させる上でも、今後もMV社の研修が弊社の基盤になると確信しています。
MV社への今後の期待
価格以上の価値のある研修。人と事業を育てる柱を担ってほしい。
MV社の研修を単なる研修として捉えていては、成功するとは思えません。目標達成に向けたPDCAをゲームで体験し、脳の細胞まで「営業考動力」の考え方を浸透させ実践継続すること、そしてマネージャーや経営層に至るまで、この考え方を実装するのが一番の肝だと思っています。それが現場で実践できるよう、働く環境や仕組みを整えるのが、経営者の役割です。
カケフグループは、ホールディングスとしてスタートしたのも6年前からで、各事業会社については、事業も人も「本当の意味で育てていく」活動は始まったばかりです。各事業会社の社長に対しては、ホールディングスは親会社ではなく出資者であるという事を伝えて、どんどんマインドチェンジを図っています。お互いに緊張感を持って事業を成功させていこうと思ったら、やはり人財育成が大きな柱になるでしょう。私は常々「安全と人財育成には妥協しない」と伝えております。
MV社には引き続き「営業が考え動く力」の定着に向けて、サポートをお願いしたいです。